吉武一、佐田猛達予科練の第一班には、歴戦の勇士で訓練の厳しい足立上曹が班長となっていた。吉武の父は応召し、母は父がもと働いていた家に住んでいたが、その家の女学生みどりは、吉武を秘かに愛していた。佐田は感化院にいた元不良少年で、面会に来た院長から後輩が托した腕時計の贈物をもらったが、次に敗戦を予知してやけな行動をとり、吉武と常に対立した。その果に彼は砂糖を盗んで班長に罰せられ、翌日無理して短艇競走に出場して死んだ。吉武はモールス通信競技の代表に選ばれ、勝てば二日間の休暇がもらえて、愛するみどりにも会えると、一心に練習を続けた。ところが応召した父が死に、みどりは挺身隊に出て脚を負傷したとの手紙を受取った上、さらにみどりの写真を班長に発見され、眼の前で焼かれてしまった。それらの打撃と身心の疲労で、モールス通信競技も失敗した。万事休した彼は、その夜脱走して母...。濃密な会話劇を描いた自主アニメーション「伝える」が劇場公開もされた沼田友監督の商業デビュー作。空港近くのある街を舞台に、人生の岐路に立った人々がそれぞれの道を進んでいく姿を描いたオムニバスショートアニメ。会話や音楽に集中できるよう動きを省略した紙芝居風な演出で描かれた「レシピ」「トランジスタ・スマートフォン」「夏祭り」「Clover」の4話で構成。2016年1月にTOKYO MXの「ウルトラスーパーアニメタイム」枠で放送。同年3月25日のDVD発売を記念し、4月に「伝える」を公開した下北沢トリウッドでレイトショー。。